手向けの花は路地裏に
- 物販商品(自宅から発送)あんしんBOOTHパックで配送予定支払いから発送までの日数:10日以内在庫なし¥ 1,100
ヤクザ vs 愚連隊 vs 秘密結社の怪人!! 〈蒸気都市〉帝都で血みどろのぶつかり合いが繰り広げられる! スチームパンク「風」を旗印に小説を刊行する、 蒸奇都市倶楽部の文庫判長編第一弾です。 試し読みは商品画像として公開しています。 また、pixivでも同じ箇所を公開しています。 【諸情報】 頁数:384ページ 版型:文庫版(A6判) 発行日:2016/03/21(『第3回 Text-Revolutions』初出) 著者:蒸奇都市倶楽部(シワ) 挿絵・デザイン:へっぽこタルト 背幅:2.3cm
あらすじ
〈蒸気都市〉帝都は世界随一の規模を誇る大都会だ。 街は科学の恩恵に支えられ、人の暮らしには蒸気機関が欠かせない。 だが、こうした大都会には往々にしてひずみが生じやすいものである。 それはときに貧富の差の拡大という形で路上生活者を生む。 それはときに非合法組織の隆盛という形で人々に牙をむく。 愚連隊〈戎〉の下っ端の少年、早駆けはスリに失敗し、その憐みに十円金貨を投げかけられる。 一枚の金貨。それは少年の夢を叶えるに十分な額だった。 もっともかつて夢を見た仲間はもういない。 一枚の金貨が見せる夢。それは少年を熱く暗い思い出へといざなう。 全てを燃やし尽くされたあの夜を。少年を愚連隊に追いやったはじまりを。少年を殺さず生かした男への恐怖を。 親しい者は奪われた少年に復讐の気概はない。彼は敗残者だ。 それはけして消え去ってはくれない、刻みこまれた記憶。 敗残者の臭いは過去を語らずともにじみ出てしまうものらしい。 特に路地裏でのさばっているような連中は、他人の弱みに鼻が効く。 愚連隊の面々は彼を侮蔑する。スリに失敗し、足を引っ張る彼を見下して優越感を糧にする。 少年はますます他人に八つ当たりがしたくなる。 早駆けは度胸を示すために喧嘩を売る。その軽率が帝都最悪の組織〈結社〉の尖兵を招いてしまうとは考えもしないままに…… * 〈戎〉を傘下に収める非合法組織、誠道会は、落ちぶれた自組織を盛り返すため、信越商会に商談を支援をあおぐ。 商会の軽井沢は落ちぶれた相手の行く末を夢想して楽しむ女だ。 彼女のふとした残酷な思い付きから、誠道会では内部抗争が勃発してしまう。 〈結社〉の幹部《機関卿》が動きはじめているとも知らず。 * 早駆けの前に現れたのは坂上、坂下と名乗る探偵であった。 いま見たものは忘れろ。 そう言う探偵であったが、早駆けは記憶がけして消えないことを身をもって知っていた。 刻みこまれた記憶。忘れてはならない経験。目を背けたくなる事実。 「忘れられるわけねえだろ」 敗残を脱するにはどうすればいいか、決断には未来がかかっている。 * 人の数だけの思惑を乗せた歯車が不協和音をたてて回り、全てを容赦なく巻きこみ、自壊していく。 否応なく引きずられていく早駆け。彼が行きつく先は果たして――。
関連作品
本作の前日譚にあたる『路地裏の花は人知れず』と『また咲く日を恋う』を「小説家になろう」様に掲載しています。 あわせてお読みいただければ幸いです。 『路地裏の花は人知れず』 http://ncode.syosetu.com/n3131dq/ 『また咲く日を恋う』 http://ncode.syosetu.com/n4195dq/